波乗りでん助

~ サーフィン総合研究所 ~

ASP/WQS 3☆ 湘南オープンで大野修聖が国内今季3勝目。王座を譲るわけにはいかない!!!

7月 15th, 2013 · No Comments


どうだと言わんばかりに勝利の美酒を飲み干す大野修聖。
世界のコンペシーンで鍛え抜いてきた、勝利を勝ち取るためのサーフィン・ハイパフォーマンスと駆け引き、そしてゆるぎない集中力を随所に発揮。まさに実力通りの貫禄勝ち優勝だった。


Masatoshi Ohno.Photo:Masahiko Yoshioka/Nikon
大野修聖のサーフィンの持ち味は圧倒的なハイスピードマニューバーから繰り出される激しく吹き出されるカーテンスプレーをともなった切れ味抜群のリップアクションとビックカービィングだ。もちろんエアリバースもここぞというときには決めてくるから隙はない。スピード、アクション、アングルと、ギャラリーやジャッジにアピールしポイントを稼ぎだすマニューバーを骨の髄まで身につけているのが強みだ。その上に勝負度胸が据わっているから鬼に金棒。今大会でもセミファイナル、そしてファイナルと優勝を左右する正念場では、それぞれたった5本のライドで、しかも同じパターンで2本目、3本目に8ポイントオーバーのエクセレントライドをたたき出し、ヒート時間の後半に入る頃には決着を付けてしまった。やはり勝負勘は抜群。優勝に向かって突き進むコナー・オライリーと大橋海人は沈黙したかのように苦い水を飲まされることとなった。


Kaito Ohashi.Photo:Masahiko Yoshioka/Nikon
大橋海人は競馬で言えばサラブレッド中のサラブレッド。湘南ローカルサーファーの希望の星でもある。今大会もスポンサーのムラサキスポーツが目を細める、優勝大本命と感じさせるスティックワークで勝ち進んでいった。コンテスト会場は台風からのビッグサーフが押し寄せる旧スエヒロ前で、得意のエアリバース、バックサイドではバーティカルなハードリッピングと、ヒートがスタートされるとあっという間にエクセレントライドを繰り出して、ファイナルまではことごとくトップ通過で勝ち上がってきた。前週にメキシコのアカプルコで開催されたWQSの4☆で優勝目前の3位となった悔しさを地元の湘南で見事に晴らしてくれるはずだった。しかしファイナルでは、それまでのリズムをマーに封じ込められたかのようにウェイブチョイスが定まらなくなってしまい勝機を逃してしまう。これが経験の差だろう。いやがられることもやる。自分がやりたいようにやっているだけでは世界の猛者は席を譲ってはくれないものだ。


セミファイナルで大野修聖に敗れはしたものの、長身から繰り出されるパワーマニューバーを自由自在に炸裂させ、将来ワールドツアーが楽しみな存在であることを感じさせてくれたコナー・オライリー(右)。母親は言わずと知れた柄沢明美女史(中央)。1985年のJPSA女子グランドチャンピオンであり、コナーのパワーサーフィンは母親のDNAを色濃く反映したもの。これから先も日本のサーフィンシーンに大きな刺激を与え続けてくれることだろう。


セミファイナルで敗退したが、切れ味鋭いビッグなバーティカルアクションには脱帽。ただならぬパワフルサーファーであることを見せつけていたケオニ・ヤン。タヒチ出身のケオニは、母親がリアルジャパニーズで父親がチャイニーズタヒチアンという17歳。陸上ではシャイな好青年だが、海に入ればチョポもサーフするというワイルドサーファーに変貌する。


世界のトッププロが覇権を競うASPワールドツアーのコンペティションレベルに比べれば、何もかもが遠く及ばないジャパニーズシーンだが、ここ数年のレベルアップ、若手コンペティターのスキルアップは著しいものがある。今大会ではダブル・ヒロトが揃って5位入賞と活躍。両者のパフォーマンスは互角で甲乙付け難いが、黄色ジャージの新井は一言で表せばスムースラディカル。今大会のR32の第5ヒートでは8ポイントのエクセレントスコアをマークし、優勝した大野修聖を上回るスコアでトップ通過を果たした。一方の赤いジャージの大原を一言で表せばパワフルラディカル。ぶっといラインのパワターンからのアクション&エアリアルは見応え十分。昨年冬のノースショア経験を積んで、また一段とたくましさを増した。


スンバワ島のレイキーピークからやってきたオニー・アンワーは、地元のペリスコープベイとは比べようが無い鵠沼のビーチブレイクで得意のエアリバースを100発100中でメイクし続け5位をゲット。インドネシアで現在売り出し中のトッププロであることを再認識させてくれた。


小柄な体から繰り出されるディープターンから完璧なアングルとタイミングでパンチの効いた切れ味鋭いアクションへとつなげていく村上舜。今大会はR32で大野修聖とコナー・オライリー、さらには田中英義との対戦という正念場でフロントではターンの手数で勝負。ヒートスタートから飛ばす大野とコナーに前半で8点差をつけられてからはバックサイドリップ連発で応戦とあきらめないガッツを見せた。マニューバラインの美しさは天性のセンスを感じさせ、フロントでもバックハンドでも見応え十分な演技を見せつけてくる。まだアマチュア資格の高校2年生だが、プロ転向してからの活躍が楽しみだ。


大野修聖の快進撃がはじまった。次戦は7月25日からスタートするASP WQS4☆のビラボンプロ、そして8月8日からはJPSA第3戦夢屋サーフィンゲームスと、場所は同じ愛知県伊良湖で2週続けて開催される。真夏の伊良湖でどんなドラマを見せてくれるのか。ビッグウェイブコンディションに恵まれることを期待したい。

Tags: ニュース

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