波乗りでん助

~ サーフィン総合研究所 ~

日本最強プロであることを証明した大野マー修聖。    JPSA第5戦ISU茨城サーフィンクラシックSCPさわかみ杯で今季5連続優勝。前人未到のパーフェクトで7年ぶりに  3度目のグランドチャンピオン獲得

9月 9th, 2013 · No Comments


カモーン!!! 雨まじりの強風オンショアでスタートされたファイナルヒート。終了のカウントダウン寸前に起死回生の3連続バックサイドリッピングを叩き込んだ大野マー修聖。演技終了と同時にヒートも終了。鳴らされるホーンをかき消すようにマーの絶叫が何度も会場中に響き渡った。やった逆転だ。優勝は俺のものだ。そう確信したマーが全身全霊で絞り出した魂の絶叫。JPSA史上、歴史に残る大逆転劇となった幕切れだった。


今大会で1回戦に出場した時点ですでに3度目のグランドチャンピオンを確定していたマー。その後も2回戦、3回戦、4回戦、5回戦と、いずれもぶっちぎりのトップ通過。そしてマンオンマンとなった強敵相手の準々決勝、準決勝も、危なげない試合運びでスムーズに勝ち上がり、今季連続5勝目がかかる決勝戦を争う相手は、プロ2年目ながらもトップシード入りを果たしプロ初優勝を狙う中村拓久未だった。マーさんとファイナルをやりたかったから頑張る。そういい残して最終ヒートに出て行ったタクミ。今季国内戦をすべてパーフェクトで勝ち上がってきたマーを相手に、若手トップとはいえプロ2年目のタクミがどこまで通用するか。悪天候の中、会場に詰めかけた数多くのギャラリーも固唾をのんで観戦した。


注目のヒートスタート。まずタクミが手前の波をつかみ綺麗なフロントリッピングで先制攻撃。受けて立つマーもすぐさまバックハンドで応酬。得意のディープボトムターンから垂直リップへと当て込んだ。しかしここでレールがくってまさかのワイプアウト。今大会でハイポイントを稼ぎ続け勝利の原動力となってきた、お約束のバックサイドリッピングをまさかのイージーミス。そして、この1発がすべての始まりだった。続く2本目も2.5点とロースコア。しかし3本目にはフロントリップのビッグスプレー2連発で7.5点。ようやくここでマーがリズムを取り戻したかに見えた。


しかしここからタクミの猛攻撃が始まった。4本目に7.25。5本目に6.4。そして6本目には7.5と、立て続けに快心のバーティカルリップを叩き込んできた。ヒート折り返しの15分が経ったところでタクミはマーに7.26差をつけていた。もちろんマーも反撃に出るが、波運に恵まれず8本目で6.4を出すのが精一杯。しかもプライオリティーをタクミに握られたまま7.26差は縮まらず刻々とヒート時間は経過。9本目、10本目、11本目と、マーは攻め続けるがいずれもロースコア。そして残り時間1分となり、乗れる波も1本となっていたマー。セットも入ってこない。万事休す。誰もがタクミの勝利を確信し始めたその時だった。優先権を握りマーをマークするタクミがなにげに見逃した波を、背後からあっという間につかんだマーが奇跡の逆転劇を呼び込んだ。テイクオフした時にはジャンクな小さい波で、とても逆転は無理と見えたが、ボトムターンした直後にいきなりほれ始めてリップがそそり立った。ここぞとばかりにマーはハードリップ。1発2発と完璧に蹴り込んでから、とどめとばかりに3発目をぶち当ててフィニッシュ。そのまま岸に乗り上げたマーはカモーン!!と大絶叫。普段クールなマーにして聞いたことが無い感情むき出しの優勝コールを轟かせたのだった。できるやつはドラマをつくる。改めてマーの凄さを実感させられた瞬間だった。

Tags: コンテスト

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