波乗りでん助

~ サーフィン総合研究所 ~

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追悼 永遠のパイプライナー小川直久。

6月 28th, 2023 · No Comments

伝助からの小川直久お別れセレモニーです。
当時のインタビュー取材資料から抜粋した『小川直久のパーフェクト10』をお伝えしようと考えました。
なんといってもこのことなしには彼の人生は語れないからです。
小川直久といえば、あのパイプラインマスターズに出場し日本人で初めてパーフェクト10をスコアしたプロサーファーです。日本人はパイプラインでやれると世界に証明。本物のジャパニーズパイプライナー第1号となりました。
初めてノースショアに来たのが16歳。ミッキー川井さんに連れられて当時のホットツナハウスでリアム・マクナマラの家にステイ。初めてのパイプはパーリング。入ることは辛くなかったが、前乗りで文句言われたり、パーリングしたりでスゲーところだと痛感したと言ってます。それでも波乗りのセンスの良さと誰にも負けないガッツの持ち主だから、3年後にはジャパニーズながらパイプラインでシルバーバレットと注目され頭角を表す。
そしてそれから10年後、とうとう今度はパイプラインマスターズのゼッケンジャージをつけてパーフェクト10を叩き出してくれた。 パーフェクト10を出したのはロコトライアル1回戦最終16ヒート、対戦相手には85年パイプマスター優勝のオッキーに、当時のハワイアンローカルでバリバリのトップガンブルース・アイアンがいた。
最初の一本目でヒートの口火を切ったナオヒサだったが、ブルースはフルコントロールのバックサイドグラブレイルで1本目から7.25。コンペティターのオッキーはしなこくインサイドでナゲッツに手を出していた。しかし出遅れた感のあった小川が15分すぎからいきなり覚醒。10点満点からの9.8をと立て続けにメイク。誰も想像だにしなかったトップ通過で勝ち上がった。
当時のインタビューより
ヒート前にパイプマスターズのゼッケンを受け取った時から気合が入って、パドルアウトしたらチューブが見えて、「行くしかない」「魅せる」と、さらにテンションが上がってたら、一本目からブルースが俺を一人で行かせてくれた。左奥のポジションに俺がいたから来なかった。それで俺はうまくテイクオフに入れた。
スタートから一本目の波はクローズだけどチューブに入れて興奮してノリノリになれた。 ノリノリになってパドルバックしてきたら、すんなりとまた奥のポジションに入れた。何も言われなかった。手前でいつも通りに決めているオッキーは来ないとわかった。それよりもブルースからの呪縛から解き放たれたのがラッキー。ブルースにはいつもハッスリングされてた。
いよいよ10点満点。
普段の時のパイプじゃいつも奥にポジションするけど、ヒートが始まったら真ん中のポジションから行くと決めていた。その時のためにパイプのスキルを磨き込んできた。 リアムにはいつも通り俺のポジションで行けとアドバイスされたんで、その通りに奥をキープした。 2本目の波はピークの筋を追っかけていったら狙い通りにテイクオフに入れた。ボードもうまく走り出した。 右にシフトする波を追いかけてテイクオフするのはタイミングが非常に難しいけど、この時はバッチリ決まった。 ドロップはじめると波の形が良いのがわかった。行くしかないと決めて集中した。コブもひろわずうまくドロップしてターンをメイクできた。プルインはギリギリうまくいって、入った瞬間のチューブはデカかった。いつもよりワイドスタンスで踏ん張った。
チューブの中はでかいパイプ特有の風圧に吸い込まれるように後ろに体が引かれるかんじ。グッと耐えていた。無重力の感覚のなかで、チューブの中のスープに捕まることなく、スピッツにも吹き飛ばされずにクリアーに出口のリップシャワーから飛び出すことができた。大歓声。 チューブの迫力は1本目の潰された方がデカかった。2本目の10点と最後に乗った5本目の9、8点のは完璧にアーモンド型で綺麗なチューブだった。テイクオフしてからドロップしていく途中が長く感じて、その間にもリップがドーンとアーモンド に開いていくのが見えた。プルインしてから最初にターンを入れた瞬間に出口が見えたんでメイクできると確信した。
R.I.P. Naohisa Ogawa,Mr. Pipeliner.

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