波乗りでん助

~ サーフィン総合研究所 ~

4?6ft ハレイワのリッピング勝負。見所満載だった女子Reef Hawaiian Pro

11月 23rd, 2008 · No Comments

リッピングパフォーマンスをどう決めてくるか。日本無敵のリッパーである萩原水紀にしてジャッジからマニューバーを評価されずにむなしい1回戦負け。一方同じ1回戦の第4ヒートをトップで勝ち上がりリズムに乗ったハワイ・ホノルル出身の16歳カリッサ・モーアは、その後のR32、クォーターファイナル、セミファイナルをすべてトップで勝ち上がり、そのまま誰にも先頭をゆずらずファイナルでも堂々たる試合運びでトップをキープしたまま優勝をもぎとっていった。恐るべき16歳カリッサ。はにかんだシャイな語り口に思わず頬が緩んでしまうキャラクターだが試合となるとリッピングもチューブも自由自在。実力もタクティクスを兼ね備えたストロングコンペティターに変身し勝ちにいく。将来世界チャンピオンをいつ獲得するかが楽しみだ。

年齢はカリッサよりも一つ上の17歳。同じく世界チャンピオンを目指し終生のライバルとなるのが同じフィナルを闘ったココ・ホーとオーストラリア・シドニー出身のローラ・エネバーだ。ココは言わずと知れたマイケル・ホーの愛娘。今シーズンはテクニック&パフォーマンスに力強さが加わり、父親譲りの試合運びの巧さもさらに磨きが加わり、優勝を争うファイナルまでスムースに勝ち上がってきた。結果は4位と思い通りに優勝とはいかなかったが、ビーチで見守り続けた父マイコさんは「ちょっとづつ、ちょっとづつ」と愛娘の活躍に満足気。こちらも世界チャンピオンになってくれる日が楽しみだ。

ウィメンズサーフィンで世界チャンピオンを排出し続ける世界最強の国オーストラリア。その国のアマチュア女子チャンピオン、ローラ・エネバーも将来世界チャンピオンになれる存在であることを強烈にアピールする素晴らしいサーフィンを披露した。結果は3位だが、ローラの素質に驚かされたのはスタートヒートとなった1回戦で見せたバーティカルリッピング3連発だった。ボトムから一気にクリティカルゾーンぎりぎりのリップを叩き続けながら、ほれ上がってチューブを巻いてくるボトムへこれまた一気にバキーンと美しく綺麗に切り返す。ハレイワ名物のトイレットボウルセクションを男子WQSトップ顔負けのパフォーマンスでメイクしてしまった。とても17歳の女子とは思えないパワフルで完成されたこの演技にジャッジは9.5のハイポイントを献上。またしてもオーストラリアからストロングガールが飛び出してきた。

トリプルクラウンは初年度1983年から今シーズンで26年の歴史を数える。ウィメンズ部門は10年前の1997年から加わり、その初代女王になったのがリン・ビーチリーだった。翌98年も連続でトリプルクラウン女王となったリンは世界チャンピオン7冠を達成するなど名実共に世界のサーフィン女王となった。そのリンが久しぶりにトリプルクラウンに登場。今では現役から退いているだけに体つきはいくぶんスキニーで細くなった感じだが、ビッグな波のハワイでは無類の強さを発揮するサーフィンは健在。結果は2位で表彰式ではへたり込んでしまい悔しさを滲ませていた。振り返ってみればファイナルデイで波のコンディションがダウンしてしまったのがリンの第一の敗因。セットの数が少なくレフトブレイクのハレイワでは、3人のティーンに囲まれて36歳の大ベテランはヒート主導権は最後ま握ることは出来なかった。さすがのリンも世代のギャップに埋め込まれてしまったという感じか。

WCTのお姐さん達をことごとく退けて、カリッサ、ココ、ローラという3人のティーンコンペティターが大活躍したトリプルクラウン緒戦ウィメンズ Reef Hawaiian Pro。世代交代というにはあまりにも早すぎるだろうが、スポンサー合戦とメディアへの登場も含めて3人の動向から目が離せなくなった。もちろんジャパニーズ女子の面々にもこれから更なる精進が期待されるところだ。

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